急速凍結機のススメ

最近目にすることが多くなった「食品ロス」問題を解消する手段の一つが、この液体急速凍結機にあります。 我国では年間約632万トン排出されている食品排気量は、消費全体の約3割に当る約2、800万トンの約23%となります。 内訳は、食品メーカーでの製造過程や小売りなどの流通過程と飲食店などが、約330万トンで家庭での食べ残しや調理過程などでの廃棄が約302万トンです。 この液体急速凍結機の特徴は、 ア)−40℃の液体に浸ける方法なので、360度全方向から直接凍結液に接触するので、凍結時間が早くなり、対象品の細胞破壊を最小限に抑えるので、解凍時のドリップが少なく、長時間の鮮度維持が、可能となります。 イ)対応機種が、一度の作業当たり5kgから1トン以上のオーダーメイドまでと、幅広い対応ができます。 ウ)凍結時間が早いので、運転コストの低減と処理能力が、他方式に比べ高いのです。 エ)専用袋に入れて、真空パックして凍結するので、そのままでの保存が可能となる。 オ)他社製品に比べ値段が安い。 カ)電源さえあれば、何処でも作業が可能であり、既存の保冷凍設備の利用が可能である。 キ)サイズが小型で、操作が簡単ゆえ、手軽に取り扱える。 水産物関係では、鮮度維持と長期保存などは勿論ですが、流通には乗らないサイズや量の水産物を、箱単位に纏めての出荷が可能となりますし、伝統的な料理用の下ごしらえも手軽に可能となります。又、一人前からパックに詰められますので、幅広い販売方法が可能となります。 例えば、タイのカブト煮を作って冷凍販売も可能となりますし、伝統的な地方独特の魚料理を内外に販売可能ですので、漁業の六次化に繋がります。 また、離島や沿岸の水産物の販売が少量の収穫にでも対応が可能となりますので、品質を維持して保管が可能です。コスト低下に繋がりますし、小規模養殖も可能となりますので、過疎対策にもなります。 農産物関係では、多品種小ロットの取りまとめや流通に乗らないサイズの有用化が可能となります。例えば、野菜の下拵えや伝統的な郷土料理の製造販売等も、小ロットから可能です。 半加工野菜の冷凍販売も簡単に出来ますので、過疎地対策にも有効です。 農業の6次化が、小規模から可能となります。 特徴ある農作物の長期保存が可能になりますので、通年販売も可能となります。 天候・気候の変動による価格の変動を、急速冷凍加工することにより、より安定的な価格帯での提供と、端境期対応が可能となります。果実関係では、特に旬の時期が短い種類もありますし、和洋菓子に利用される量も多く、近年では輸出も増えています。輸送コスト低減する方法の一つがこの急速凍結による鮮度維持方法です。 傷みやすい高級食材なので、収穫物を100%生かす従来にない工夫が求められております。